上橋菜穂子「鹿の王」深いです!

鹿の王他本

上橋菜穂子の「鹿の王」読了

一昨年の本屋大賞に選ばれたくらいだから、発行はもっと前。

存在は知っていたけれど、「これを読んでしまったら上橋さんの新しい話は(次を書いてくれるまで)読めない」からと先延ばしにしていました。

が、最終巻が文庫化されたタイミングでAmazonでポチ

夏休みに読むにはもってこい!(ホントは冬休みのほうがいいかも・・・)

一気に読み切りました。

危うい国家の存続をかけた壮大な物語ともいえるけれど、その中に織り込まれ核となった「病」の考察がとても興味深い読み物です。

難しいテーマだけれど、自然に頭に入ってくるなと思っていたら、最終巻のあとがきを読んで「なるほど~」となりました。

著者がこの物語を作るうえで触発された本として「創造する破壊者」をあげていたので。

この本、以前夫に勧められてわたしも読んでいたんですね。

↓  ↓  ↓

わたしには難しくて理解できたとは思えませんし、細かいところはまるで覚えていませんが、それでもニュアンスだけは頭に刻まれていたようです。

この本は厚いしちょっと手に取りにくいですが、もうひとつ上橋さんが解説のなかで触れられていた「腸内細菌」については、とっつきやすい本がいっぱいでています、

腸内細菌が宿主(人間)の身体のなかに取り込まれ、もちつもたれつ並列して生きているという話。

最近「腸活」づいているわたしはこんな本を読みましたよ。

↓  ↓  ↓

上の二冊を合わせて読むと、確かにわたしたちの身体って、意志をもっている自分だけの容れモノではなく、いろんな「生」の共同体なのかもって気になります。

さらにはあとがきでは柳沢桂子さんの著作なども挙げられていて、憧れの著者さんとの共通の読書体験に嬉しくなったりもしたのでした。

同時に、同じような本を読んでいても、深くは理解できなかった自分と、すっかり自らの思考に組み込み、壮大な物語を作り上げ、広い読者を獲得されている上橋さんとの違いをみじめに感じたのも事実(笑)

比べるのも申し訳ないけれど、同世代なだけに来し方の違いを痛感。

でも、自分のことを「駄目だな~」とは思うけれど、読者であることの喜びの方が勝っているので良いことにしましょう!

「鹿の王」は病についてだけでなく、国や民族が生きながらえていくということ、人が世代を超えて生き繋がっていくということ、文化背景の違う人と生きてくということがなどが織り込まれ、とても深い。

著者の語りかける気持ちがビシビシと伝わってくる傑作です!

大勢のために自らを犠牲にする「鹿の王」という生き方については涙なしには読めませんが、上橋さんは救いを残してくれているので、読後も大丈夫、カタルシス無しでいけます!

関連記事

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする